1. 勉強開始〜初受験まで

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  • 勉強開始以前
  • 一般の勉強を始める
  • 一般の問題を解き始める
  • 一般の知識を深める
  • 専門の勉強を始める
  • 法律
  • 仕上げ

  • 勉強開始以前

    私が勉強を開始したのは、自己紹介にも書いたように2009年の3月1日です。それ以前に何か勉強をしていたかというと、本屋で東京大学出版会の『一般気象学』をパラパラと立ち読みしたことがある程度でした。

    そのとき強く印象に残っているのは、「これはほとんど物理だな」と思ったことです。なぜそう思ったかというと、力学、熱力学、電磁気学、量子力学、流体力学などの物理学の知識が総動員されて本が書かれていたからです。

    私は大学では物理学科に在籍していたのですが、大学3年生のときに選択科目で気象学の授業がありました。その授業は選択しませんでしたが、のちに一般気象学を立ち読みしたときに、なぜ気象学の授業があったのかをはっきりと理解できました。それは、物理の基礎を一通り学んだ学生にとって最適な内容だったからです。

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    一般の勉強を始める

    まず始めにネットで試験の概要を知り、次にどんな本を買えばよいかを調べました。すると評判が良さそうでかつ自分の好みにも合っているのは、東京堂出版の『天気予報の技術』と、自分が以前立ち読みした『一般気象学』でした。

    『天気予報の技術』は本が大きく内容も充実しているように見えたので、私はまず『天気予報の技術』を買いました。

    しかし数日読んでみて、私はすぐに飽きてしまいました笑

    なぜかというと、本の中にたくさんの事柄を詰め込みすぎているため、それぞれの事柄の内容がとても薄くなっていることに気付いたからです。いわゆる、広く浅くな状態。初学者がこういう本を読んでも何も勉強にはなりません。しかも本が大きくて通勤の電車の中で読むのも大変です。

    だから私は『天気予報の技術』はすぐにやめて『一般気象学』を買いました。

    『一般気象学』はとても面白い本でした。内容的には学科の一般試験の範囲に絞られていて、基礎的で深いところから丁寧かつ初等的に記述されていました。

    しかし、私にとっては逆に初等的過ぎてまどろっこしい部分があったり、数学が少なすぎると感じたため、『一般気象学』と同じような内容でもう少し数学がたくさん使われている本を探して、朝倉書店の『基礎気象学』も買いました。 (しかし結局はあまり読みませんでしたが…)

    そんな調子で、一ヶ月くらいで『一般気象学』を読み終えました。これで学科一般の内容は(法律を除いて)とりあえず一通り勉強したことになります。

    ちなみに私は通勤に往復4時間かかるため、朝早く家を出て夜は家に帰ってきたらすぐに寝てしまいます。なので勉強の大部分は電車の中です。さらに土日はほとんど毎週彼女と過ごし、平日も週1回は彼女と会います。試験勉強を始めてからもそのペースは崩しませんでした。彼女と一緒に過ごす時間を減らしたくなかったからです。(さすがに試験直前だけは会わずに勉強しましたが)

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    一般の問題を解き始める

    学んだことを理解し定着させるためには問題を解かなければならないので、問題集を探しました。

    問題を解くということは、学んだことを復習するという意味もあります。人間が何かを学んだとき、脳の海馬にその記憶が残るのはどんなに長くても一ヶ月と言われているので、一ヶ月以上復習しないでおくと完全に忘れ去ってしまい再びゼロからの勉強になってしまいます。

    したがって教科書的な本である程度の範囲を勉強し終えたら、もう一度本を読み返すとか問題集を解くなどして必ず復習するべきなのです(本当は勉強した翌日に復習するのが一番良いのですが)。

    自分の今の段階では、基礎的な問題をとにかくたくさん解くことが必要だと思い、それに合った問題集を本屋をいろいろまわって探しました。

    結局買ったのは、日東書院の『最新 気象予報士試験問題 解説と解答』でした。この本は過去問に加えて過去問より若干やさしめのオリジナル問題が載っていて、問題数も多いことが特徴です。これ以外に欲しいと思える本はありませんでした。

    解き進めてみると、結構解けることに気付きました。初めてにもかかわらず7〜8割くらいの問題は解けたと思います。

    解いているときに感じたのは、物理の知識が役立っている、ということです。よく分からない問題でも「物理の常識に照らして考えると答えはこうだろう」と思って解答するとだいたい正解になってしまうのです。このときばかりは、 大学時代に物理を死ぬほど勉強した自分に感謝したい気持ちでした。

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    一般の知識を深める

    それから一ヶ月弱くらいは、問題集を解き続けるとともに本やネットで知識を深めるようにしていました。特にHBCのこのページや日本気象のこのページや気象庁のこのページやワイオミング大学のこのページを頻繁に見るようにしました。

    HBCはファイルがpdfなので見やすく、過去2週間分の資料が保存されているので便利です。日本気象のページは情報量が多く、特に解説資料は勉強になります。気象庁はレーダーやアメダス、警報・注意報、気象情報など幅広い情報が得られ用語の意味や使い方、各種資料の見方が載っているので必読です。ワイオミング大学のページは日本を含めた世界各地のラジオゾンデデータとエマグラムが見られます。

    これらを見ることで、学科の勉強で得た知識と現実世界とのリンクを実感することができ、それによってさらに学科の知識も深まります。

    一番大事なのはたぶん、気象庁のHPを見ることです。

    1日に何回も見るのがベストです。とにかく頻繁に気象庁のHPを見て、天気図、衛星画像、レーダー、アメダス、ウィンドプロファイラ、短期予報、週間予報などをチェックします。

    そして、顕著な現象が起きているときは気象警報・注意報、気象情報、土砂災害警戒情報、竜巻注意情報あたりをチェックします。風が強いときは海上警報、海上濃霧警報が発表されているときはその付近の海水温と風、台風が来ているときは潮位や波浪情報をチェックします。

    さらに私は、気温・気圧・露点温度から色々な物理量の値をエクセルで計算し数字に対する感覚を養うようにしました。学科の勉強をしていたのはちょうど春と夏だったため雷雨が多く、SSIや相当温位の鉛直分布はしょっちゅう計算していました。

    以上のようなことを地道に続けていくと、どのようなときに何がどうなるのかということが感覚的に分かってきます。

    しばらくして、さらに他の問題集をやりたくなったので、ネットで評判の良かった技術評論社の 『 らくらく突破 気象予報士かんたん合格テキスト<学科・一般知識編> 』 を買いました。この本はそこそこ過去問が載っているうえに解説が丁寧で勉強になりました。

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    専門の勉強を始める

    そんな感じで2〜3ヶ月くらいは一般の勉強に専念していたと思いますが、だんだんモノになってきたと感じたので専門の勉強にも手をつけ始めました。

    まず始めに読んだのは気象庁のHPにある気象観測の手引きです。これを何回か読みました。

    次に私は、上記の技術評論社 『 らくらく突破 気象予報士かんたん合格テキスト 』の <学科・専門知識編> を買いました。一般編の内容が結構良くて気に入っていたからです。

    あとはネットでいろいろなページを見て勉強していましたが、足りないなと思ったところはネットで論文などを読んで勉強しました。

    具体的には、たとえば「数値予報 pdf」や「アンサンブル pdf」などで検索すると論文などが見つかります。また、このページから 雑誌「天気」のバックナンバーが読めるので勉強になります。

    以上のように、専門に関しては本で勉強するよりもネットで勉強することのほうが多かった気がします。逆に、もしネットがなかったら勉強するのは大変だったと思います。

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    法律

    法律の勉強をすることはどうしても気が進まなかったのですが、7月に入りようやく勉強を始めました。

    ところが、いざ始めてみると案外楽しいことが分かりました。

    なぜかというと、法律というのは始めにいくつかの事柄を定義しそこから色々な文章が派生していて、その構造が数学や物理とよく似ているからです。

    さらにネットで見つけたこのページは法律の成因が詳しく解説されているため非常に参考になりました。

    以上のことから私は結構すんなりと法律を覚えることができました。

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    仕上げ

    2009年の7月頃に、学科の総復習をすることを目的にオーム社の 『気象予報士試験 速習テキスト [学科編] 』 を買いました。さらに一応実技の勉強もしようと思って同じ本の[実技編]も買いました。

    さらに問題もたくさん解きたかったので、成山堂書店の『気象予報士試験精選問題集【平成20年度版】』を買いました。

    これらの本をどんどんやりつつ、大きな本屋でその他の本をとにかくたくさん読んでネットも見続けました。どんな問題が出ても大丈夫なように多くの知識を得ておきたかったからです。

    一方実技はというと、ほとんど勉強しませんでした。買った本に載っていた問題を一回解いた程度です。学科一般と専門に絶対受かることを目標にしていたので、実技はまぐれで解ければいいやくらいに考えていました。

    そのかわり学科に関しては確かな手応えを感じていました。

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